「で?返事は?」 顔が、近い。 お姫様抱っこされてるから、近い。 「はい。よろしくお願いします」 絶対わたし今顔真っ赤だ。 「ああ、重かった」 「ねえ、それ今言う?」 わたしを下ろしたあと、腕をぶらぶらとさせながらひどい言葉をいう。 「嘘に決まってんだろ」 そのまま桐生くんの綺麗な顔が近づいてくる。 わたしは、反射的に目を瞑った。 その直後、唇に柔らかい感触。 はじめてのキス。 ちょっぴり甘くて、切ない味がした。