いつもならすぐにいなくなるはずの女子の群れが、全然減らない。

それどころか増えてる?

「きゃー!」という声も全然なくならない。

なんで?



「っ、」


そう疑問に思っていると、その女子たちの群れから桐生くんが歩いてきた。

こっちに向かって。

反射的に健人の後ろに隠れた。



「なに?」

「そいつ、かりていい?」

「お前から顔もみたくないっていったんじゃなかったっけ?」

「そのことも含めて、ちゃんと話したことがあるんだ」


いつになく真剣な桐生くんの言葉に、わたしは顔をだした。