「なあ、母さん。母さんは幸せだった?」


仏壇の前。幸せそうに笑う母さん。

一度もあったことがない母さんに、そう問いかける。

母さんは天国でどう思ってたんだろうな。

自分の命よりも優先した子供が、他の親の子になったこと。

普通だったら激怒だよな。

ありえないよな。



でも、写真の中の母さんをみて思う。

母さんは今の愛鳥をみたらきっと笑って許すんだろうな。

自分の子があんなにも幸せそうに生きてたら、きっと許すんだろうな。



俺が真実を知った後、一枚の写真が仏壇におかれた。

その写真を手に取る。


6人。愛鳥の両親と、健人の両親と、俺の両親。

幸せそうに笑ってる。