「すまない。本当にすまない。海には、苦労をかけた。寂しい思いをたくさんさせた」

「俺がどんな思いでこの会社継ぐと思ってんの?俺だってな、別に血の繋がりなんて関係ねえよ。この家の人間だってこと、もう理解してるし諦めてるよ。ただな、それ以上は求めてない。俺は自分の本当の親に会いたいなんて思いもしないね」

「・・ごめんね。桐生くん」

「別に謝れっていってるんじゃねえよ」


どうしたら桐生くんのこの傷を治してあげられる?



「お前の顔なんてもうみたくない」


ああ、そっか。

わたしともう関わらなければいいのか。

桐生くんにとってわたしはやっぱりはじめから嫌いでうざい存在だったもんね。



「もうこの家にもくんな」

「海!なんてこというんだ」

「いえ、いいんです。わたしが間違ってました。もうきません。桐生くんとも会いません。学校でも絶対話しかけません。これで、帰ります」