「あなたが生まれる前からずっといってたの。鳥が好きでね。ほら、飛鳥って名前にも鳥が入っているでしょう?鳥っていう字はね、もともと大きく羽ばたき自由にのびのびと活躍できるようにっていう意味があるの。そして、愛鳥は、才能や体力に恵まれて多くの友人に恵まれる人。そんな意味。社長の子供になるあなたに、そうなってほしいって思って、飛鳥が考えていた名前よ」


もともと不思議には思っていた。

愛鳥。

お父さんにもお母さんにも鳥が好きなんて聞いたことないし、二人の名前にも入ってないし。


でも、そんな意味合いがあったなんて。

少しだけ、嬉しい。


全然知らない、みたこともあったこともない、もうこの世にはいないお母さんだけど、繋がってる。そんな気がしたから。



ひどい話だし、とても傷ついたし、信じたくもない話だったけど。


意外にもわたしの心は落ち着いていた。


それは、桐生くんのおかげかもしれない。