わたしの本当の王子様は、誰?



「自分たちの本当の息子を返してほしいとはあっちはいわなかったわけ?」


でも、もし気づいたならそこで普通は返してほしいというだろう。

世間にもばれてないし、まだ小さければ近所の人に見られていたとしてもそこまで気にならない。


俺がそうだったように、あっちだってかわいい息子さんだね。ってきっと言われているだけ。



「あいつらは、それをのぞまなかった」

「なんで?」

「もちろん、泣いていたさ。ものすごく泣いていた。でも、この子はもうわたしたちの子供だと。あいつらは産みの親より、育ての親として女の子の親になることを決意したんだ」

「父さんは、父さんは娘がほしくなかったの?母さんが自分の命の引き換えに産んだ、大事な娘なのに」

「思ったさ。でも俺の親父が起こしたことだ。宮下たちがそういうなら、俺はそれを受け入れることにした」

「なんだそれ」