「おい、まてよ」

「もう、わかってるよ。愛鳥がわたしのこと心配してくれてることくらい。たくさん思ってくれてることくらい」

「ならなんであんな言い方するんだよ」

「・・・愛鳥やあんたがうらやましいよ。優しいお父さんとお母さんがいて、仲良しで、羨ましい」

「真美・・・」

「ただの嫉妬だね。愛鳥にあんな言い方しちゃうなんて。わたし相当ひどいよね」



真美が大泣きしたといっていたあの日、俺はクラスが違ったからその姿はみていない。

ただ、放課後「天国にいっちゃったんだって。お父さん」そういって大粒の涙を流した真美を俺はみた。


普段は泣かない真美が泣いたのはそのときだけ。

だからこそわかる。

それくらいお父さんのことが大好きだったってこと。


嫉妬。そんな風に真美が俺たちをみてることなんて知らなかった。

真美の新しいお父さんが、優しいお父さんだったらどんなによかっただろう。