「あっちー」


「ね、もう溶けちゃいそうだよ」


季節は6月。

梅雨入りを告げるニュースがつい最近やっていたというのに、雨なんていっこうに降る気配もなく、太陽が容赦なくわたしたちに照り付けている。



宮下愛鳥(みやしたあいか)

高校2年生。

今だ王子様がわたしを迎えにきてくれると信じてる。

それがたとえ叶わないものだとしても、それでも。



「てか、きいた?転校生くるらしいよ」


わたしの隣に歩いているのは、金井健人。


わたしたちは生まれたときからずっと一緒。

家が隣同士とか、そんなもんじゃない。

生まれた病院も、生まれた日も一緒。

そしてその日から16歳になった今でも一緒にいる、もう切っても切り離せないくらいの仲。