いつの間にか木々の色は緑に変わり、蝉の声が騒がしく鳴り響くようになった。


先輩は見事、二位に圧倒的な大差をつけて、生徒会長に就任した。


その後は、月に一度の全校集会が楽しみでたまらなかった。


もう今までみたいに頭に戦国武将は浮かばないし、瞼が半分垂れ下がってることもない。


全ては集会の最後、生徒会長の言葉を聞くために・・・。


「皆さんこんにちは、生徒会長の中西です。」


落ち着きのある少し低めの声。体育館全体を見渡す優しいまなざし。


私は、誰よりも熱心に、生徒会長の言葉を全身で聞いていた。


この瞬間が私にとって生きがいだった。