「先輩、ずっとずっと大好きでした!」


軽く深呼吸をして、また続ける。私の言葉はもう止まらない。


「集会の時も誰よりもずっと生徒会長のお話聞いてたし、部活の時もずっと先輩の活躍を見てて、目でずっと追ってました。


ネクタイ届けに行ったのも私なんですけど、先輩は覚えてないかもしれませんが、ずっと想いを伝えられずに先輩の背中を見つめる日々でした。


突然こんなこと言ってほんとにすみません。でも後悔だけは絶対にしたくないので気持ちだけでも伝えに来ました。」


全てを言い終えると、なんだか急に力が抜けて、よろけてしまう。


すると、倒れそうになった私の肩を、先輩が優しく支えてくれる。


冬の名残を感じさせる冷たい夜風が、そんな二人の間を通り抜けていった。