私の学校では、卒業式の後、お世話になった先輩に花束を渡しに行く。


るみに背中を押され、私は先輩のもとへと急ぐ。


大きな花束を抱えながら、学校中を走り回る。しかし、先輩の姿はどこにも見当たらない。


どこ・・・どこにいるの、先輩。


日が暮れ始め、校内の生徒の数もまばらになってきた。それでも、先輩は見つからない。


いやだ。こんな風に終わってしまうなんて絶対に嫌だ。


歯を食いしばりながら、必死で先輩を探し続ける。


何度も同じ階段を上る。何度も同じ廊下を通る。何度も、何度も、何度も、何度も・・・。


あたりはすっかり暗くなってしまった。もう校内に人影はない。


わかっていた。こんな恋、叶うはずがないんだ・・・。


私は、へとへとの体を引きずりながら、正門へと向かった、その時だった。