だれよりも近くて遠い君へ

中学校に入ってすぐに、私のお母さんが肺炎をこじらせて死んじゃったの。
もともと喘息持ってたし、精神的にも参ってたんだろうね。
３ヶ月くらいかなぁ、病院でずっと窓の外を見ながらお母さんはすごしてて、、
私、本当に大好きだったから、ボーっとしてるお母さんが心配で、毎日病院にいってた。

健気だよね。
その日にあったこと、見たもの、読んだ話、楽しい話だけ選んで話してたんだけど、
お母さんの耳に本当に入ってるの？って思うくらいに、心がこっちに向いてなっかたのがわかったんだ。
さくも、さくのお母さんと一緒にときどき来てくれてた。
さくは特に、いっつもわたしにべったりでね、

「春、大丈夫か？」

って隣にいてくれるの。　
大丈夫なわけないよね。お母さんが、自分をみてくれないんだもん。
心がポッカリなくなったみたいに、なっちゃったんだよ。