だれよりも近くて遠い君へ

「で?今日もあの幼なじみさんと登校だったの?」

「そーなの、本当にめんどくさいんだよ。
あいつ、自分がどんだけやばい成績かわかってないから、コンビニについてきて、一緒に遅刻したの」

「朝から大変だねー。
本当に春は、篠崎と付き合ってないの?」

「何回も言ってんじゃん、付き合ってなんかないよー」

そりゃそうだよね。
毎日登下校一緒にして、テスト勉強も一緒だし、そうやって見られても仕方ないよね。
本当やだなぁ。

「えー、でも篠崎の方は春のこと、好きなんじゃないの?」

「それもないって、もーしつこいよぉー」

笑って言うよ。
本当にめんどくさいけど。

みきは、ミーハーなところがあるからこういう話題大好きなんだもんね。
友達として、ちゃんと乗ってあげる。

でもね、それは本当に違うんだよ。
あいつは、さくは、今でも律儀に約束を守ってるだけなんだよ。
そんなの守られたって嬉しくもなんともないのに、バカだよね。