だれよりも近くて遠い君へ

「うーん、覚えてないはずない…じゃん?」

急げ私、思い出せ私、

「はぁー、正真正銘のバカだろほんとに」

あきれてる顔だね?こっちは必死に思い出そうってしてるのに。

「いやいや、もう少しで思い出せそうなんだよ?あと少しなんだけどなぁ」

とりあえず、あははーって笑っとくよ。
内心焦りまくってるし、笑顔が引きつりそうだけど、そこは私プロだかんね。
学校で鍛えられてる表情筋、なめんなよ。

「その顔嫌い、やめろ」
 
またこいつは、仮にも女子なんですけど

「人の顔のこと、とやかく言うのってだめなんだよー?」

「じゃあもうすんな」

さくは、ぷいって逆を向いた。

不機嫌そうだね?

「ごめんごめんってー、今は思い出せないことで怒ってるの?顔がお嫌いだったから怒ってるの?どっちー!?」

さくの肩を強めに叩きながら聞いてみる。