せ、先生っ!

琴音side

居残りが終わって、帰る準備をしている時にふと思う。

は〜今日は中野先生と帰れないのか…。



いやいやなんでなんで。

私は先生のこと嫌いだし?

いや嫌いじゃないけど!

その、別に…。

1人でごちゃごちゃ考えて顔が真っ赤になる。

?「何顔真っ赤になってんの」

振り向くと中野先生がいた。

琴「う、うわあ!」

思わずびっくりしてしまう。

先「はあ?なんでそんな驚くの?」
琴「いや、なんでもないです!」
先「ふーん」

そう言って先生は去っていった。



帰る準備が終わって出口へ向かおうとすると、先生が立っていた。

誰かと一緒に帰るのかなぁなんて思いながら先生の前を素通りする。

先「ちょっと素通りしないでよ」
琴「へ?」
先「何今日は一人で帰るつもり?」
琴「え、あ、先生、待っててくれたんですか」
先「あったりまえじゃん、ばっかじゃねえの」

2人で並んで帰る。

ちょっと前まで好きじゃなかったのに。


なんか、先生のこと、好きかも。

でも、先生は私の事好きじゃないに決まってる。

顔も性格も普通で、なんの取り柄もないただの女子高生。

先生はイケメンで頭も良く、私なんかと絶対に釣り合わない。



先生に恋するって、おかしいかな。

なんて思いながら先生に体当たりする。