せ、先生っ!

樹side

俺と琴音の喋る時間を減らしたヤツらに問題を教え終わって、事務室に入る。

軽く自分の机を整理してから、事務室の窓口から二人を眺める。

?「嫉妬ですか」

喋りかけたのは事務員の上野さん。

少し太っていて、優しい、結婚済の女性。

中「いや、別に」
上「素直になりなさいよ〜」
中「いや別に俺も向こうもなんとも思ってないし」
上「ことちゃん、案外先生のこと好きかもよ?」
中「は、な、なんでっ!
根拠の無いこと言わないでくださいっ!」
上「あ〜もう真っ赤じゃないですか」
中「き、急に電気の色が変わったんじゃないですかね?」
上「ほんとに今どきの子は可愛いわね、さあ私もそろそろ仕事しましょ」

そう言って上野さんは自分のデスクに戻る。

なんで俺が琴音の事好きってことになるんだよ。