シロは俺の膝に頭を乗せ、ゴロゴロしながら衝撃なことを口にした。

「シロチャン。もっかいいって?」

「だからー、カフェでバイト始めることにしたから」

「カフェ…ってあのお前が行きつけのとこか!?制服が妙にメ、メイドっぽいっていうかなんていうかそんな感じの!」

「いやそこまでメイドっぽさはないでしょ。たしかに可愛い制服だけど。
なーにクロ、私の制服姿でも想像しちゃった?」

そう言ってシロはにっしっしと笑う
いやそれはもちろんめちゃくちゃ似合いそうだーーーーってそんなことより、バイト?
そもそもシロの家はクロの家ほどでないが、結構な金持ちだ。バイトしなくても十分に自由にできるだろ。

「いや、そんなことより
金に困ってるわけでもないだろ?なんでバイトなんてするんだ」

シロはそんなことよりという言葉を気にしてかぷくっと口を膨らませている

「別に!あそこのカフェのオーナーが人手不足だって言うし、私はあの人たちが稼いだお金を出来るだけ使いたくないの」

シロの家は色々複雑だからな。
だからと言ってあんな制服着て接客なんてやったら悪い虫が付きまくる。ダメだ。絶対にダメだ。

「シロは面倒くさがりだからバイトに向いてないだろ。
どうしても親の金使いたくないなら俺のカード使え」

「いや、いいよ
一緒にいる時ならクロのカードでお願いするけど、本人がいない時に使うカードなんていらない」

「俺と一緒にいる時はいいのかよ。いや、いいんだけどさ。
まあ、俺が一緒に居れば問題ないってことだろ?」

シロの顔にかかっている髪の毛を耳にかけ、ふわふわの髪を撫でながら言う

「これからもっとシロと一緒にいるようにする。俺とずっと一緒にいるんだからバイトする意味ないだろ?」

シロは驚いたように目を見開き
そして、ふっと微笑んだ

「いや、それはいい。大丈夫。
そんなに長い時間人といれない。私、一人の時間欲しいタイプだから。」

シロは微笑んだかと思えばすぐに真顔になりこう言ったのだった。

「え!?今の微笑み何!?
嬉しいなみたいな事じゃないの!?」

「いや、笑ったのは突拍子のないこというクロが可笑しくて。
鼻で笑っちゃった」

「鼻で!?」

クロがいい感じに引き止めたにも関わらず、結局シロはバイトを始めるのだった