「おいこらシロ!また授業サボりやがって」

ここ如月学園は、国内のトップレベルの財閥の子息、息女が多く通う、偏差値もトップレベルな学園な訳だが…。

真面目な生徒だらけの学園の中、しょっちゅう授業中に抜け出して生徒会室で寝ているシロ…北宮 真白は不真面目な生徒ながらも学年トップの成績であることから生徒会に入っている。
如月学園は学力主義であり、成績トップ2は必ず生徒会に入らなくてはならない。
成績だけでいうなら真白だが、なにせ真白に生徒会長が務まるとは思えないので黒咲 蓮が生徒会長、北宮 真白が副会長としてやっている。

「お前に生徒会室を与えてしまったことがこの学園の失敗だよなぁ」

そういいつつ、シロの整った顔を不細工にしてやろうと頬を抓る

「んん…ちょっと、クロ!やめてよ!
私の頬が伸びて不細工になったらクロのせいなんだから!」

どんなに不細工にしようとしたって可愛いくせに何言ってんだか

「シロ。また授業サボりやがったな。
次やったら生徒会の仕事増やすって約束だったよな?」

「い、いやだなぁクロさん。
私はサボったんじゃなくて、休憩してたの!」

「休憩時間はちゃんと授業の合間にあるはずだが?
お前は生徒会室でだらけてるだけだけどな、その分お前の仕事までオレがやらなきゃいけないんだよ!
めちゃくちゃ大変なんだからな!」

「だからー、いつも言ってるじゃん、他の役員の指名はクロに任せるって。
クロが他の役員選んでないからクロの仕事が減らないんだよ?」

如月学園の生徒会会長副会長以外はこの2人の指名制である。
シロは面倒くさがりな性格から人事はクロに任せている。
二人の整った容姿のせいで生徒会に入りたいという声が後を絶たないのは知っているが、クロとしてはシロと2人っきりになれるこの空間を他の奴に邪魔させる気はない。

「いい人材がいないんだよ。
それにシロチャン。こんな快適な生徒会室を他人に邪魔されてもいいの?
この学園は真面目な生徒が多いからね、ここに置いてある学園持ち込み不可なもの全部告げ口されて没収されちゃうかもよ?」

「ク、クロだけいればいいです!
他の人を生徒会にいれないで!」  

「じゃあシロチャン。いつもシロチャンの分も頑張ってる俺に「2人っきりで過ごしたいから他の人をいれないで」ってお願いして?」

そういってニヤリと笑った。
その顔は一般人がみたら鼻血を吹き出すレベルだが、クロの顔に慣れているシロは何ということもなく、

「クロと2人っきりがいいの。他の人を入れないで?お願い」

と無意識に上目遣いでいってクロを悶えさせるのであった。