ーーーー若松 悠side
それにしても葵が聖を切るなんてねー……
意外だったわ。
一生ズルズル行きそうなくらい恋してたのに。
なんせ7年間だからねー。
ま、葵も自分の将来が不安になるとしかもね。
1人でふらっと入った店のカウンターで焼酎の湯割片手にタバコを吸いながら悠は葵のことを考えていた。
「おねーさん、1人?」
ナンパの定型文のような声が隣から聞こえてきた
「そうよ。」
「一緒に飲まない?
ツレにドタキャンされちゃって寂しんだよね」
視線だけをずらし声の方を見ると、ワンコのような人懐っこい笑顔のイケメンが1人。
「正直さ、変な女がよってきそうでうんざりなんだよね、人助けだと思ってお願い!」
彼の後ろでキャーキャー言ってるいかにも面倒くさそうな部類の女たちが視界に入った。
んー、ま、イケメンだし今晩くらいいいよね。
「もちろん奢りよね?」
「流石!ありがとう!
なんでも頼んで」
「じゃあお造り盛り合わせと日本酒2合よろしく」
「了解しました!」
店員さんを呼び止め注文をしてる彼をじっくり観察する。
なんでこんないい男が私に声掛けてきたんだろ。
