煙の中の彼



次の日、私は悠さんと元気に出勤し仕事をこなし自宅へ帰宅した。

本当はBAR After the Rainに寄りたかったけどなんとなく怖くて行けなかった。

高月さんのカルパッチョ早く食べたいのに……


浮腫んでパンパンの足を動かしながら今日の夕飯を何にしようか考えながら最寄り駅の改札を出たところでふと前を見ると見覚えのあるスーツの男が居た。

嘘でしょ。
しまった。アプリでブロックしたらメッセージ読めないから油断してた。

てか、何でここに居るの?!


パニックになりながらも人混みに紛れながら普段使わない出口に向かおうとした。


「いい度胸してんじゃん。」

肩を後ろから掴まれた。

「……お疲れ様デス。」

「あ?」

ひいぃ、こわい、てかなんで怒んの?
私達怒られるような関係じゃなくない?!
所詮セフレじゃん……


「着いてこい」

まるで死刑囚と看守みたーい。なんて思いながら仕方なく聖の後を追った。