高校2年生の初日から聖との関係を終わらせた金曜日まで私はずっと聖の後ろ姿を見ていたんだと振り返る度に思い知る。 高校2年生の頃は名前順で前の席だった聖の背中を。 大人になってからはベットの縁に腰掛けてタバコをふかす聖の背中を。 聖が振り向いてそのセクシーな少し厚い唇で私に向かって「好きだ」と一言発するのを待っていたんだと今になっては思う。 馬鹿馬鹿しい。 そんな事あるわけもないのに。 彼の左手には指輪の日焼け跡があるのに。