眠たい男の子は頑張り屋さん

 わたしは暴れる男の子を制してなんとか横たえた。

 少しずつ、水をあげていく。

 冷えてるから大丈夫だと思うんだけど……。

 男の子は、多分喘息持ち……なのかな?

 わたしの弟も喘息持ちで、症状も似ているから多分あってると思う。

 たしか、こうして、こう……?

「え、いま、何したの……?」

「え、ごめんなさい、治りました?」

「す、少し楽になりました、けど……」

「わぁ、よかった……」

 わたしが彼にしたのはあるおまじない。

 掌に掌を重ねて、ある言葉を言う。

 お母さんが言ってたけど、この子にも効いてよかった。

「ね、ねぇ、何したんですか?」

「おまじな……あっ、やば!店閉まる!」

 わたしが行こうとしたお店は5時半まで。

 今は5時ちょっと前だから、急いで行かないと悩んでいる時間がない。