~第三話 kiss~

秘密の恋が、始まって数日たった 

とある日のこと

優菜に「昼休みこっそり遊ぼ」と呼び出された

優菜に、会って連れていかれた先は

運動場の大きな石の裏だった

「翼先輩、ここならバレないですよね」

「まぁ…バレないんじゃないの」

「翼先輩」

と言って片腕をギューとされた

「えっ」

かすかに匂う甘い香りが、ただよう


「翼先輩、もっとギューってしたい」


「さすがに 学校は、まずいって放課後いっぱいしてあげるから」

「じゃあ 放課後、楽しみにしてますね」

その直後チャイムがなり、お互い教室に戻った

そして放課後

部活が終わり、優菜と会う。その頃には、もうすっかり夜だ

帰り道の交差点を過ぎて小学校前の通学路で

「翼先輩、昼休み言ったこと覚えていますよね?」

「覚えているよ」

「優菜、もう一度いいか」

「うん」

そう言って抱きしめた

甘い香りで、今にもクラクラしそうだ

その後、ちょっと歩いた先で…

「翼先輩、友達がね もうキスしたのって聞いてきて」


「えっ」


「でね、翼先輩ってもしキスするってなったらするの?それとも断る?」


「断らねぇよ だって好きだもん」


「じゃあ……私とキスして」


「えっ!!……今…なんて」


(聞き間違いじゃあないよね)


「私と……キスして」

と甘えた声で言われた

「いいよ」

と言ってお互いの唇が、そっと触れあった

「優菜…もう一回いいか」

「うん」
と言って今度は、抱きながらキスをした

辺りは、静寂に包まれて時間が、ゆっくりと感じた

「キス…しちゃったね」

「うん」

「おやすみ」

「うん おやすみ チュッ」
と言って、唇を重ね合わせた

初めてのキスの味は、レモン味でもイチゴ味でもないけど

すごく甘い味だった…