しかし、その日は違った。
確かどしゃ降りとまではいかない雨が降っていた。
私達は家の中に居るのに、
何故か身体が濡れているかのような重たい雰囲気に包まれていた。
そしてまた、彼が口を開いた。

「神は存在すると思うかい?」
「どうだろうね。
存在すると断言する事も、
存在しないと断言する事も、
私にはどちらも出来ないよ。」

普段はこれで終わりだが、彼はまた

「実は僕が神なんだって言ったらどうする?」
と聞いてきた。
意表を突かれた私は驚き一瞬目を大きく開いたが、落ち着いて、
「あまり驚かないよ。
私はあなたといるととても幸せだし、
あなたの言うことはどれも面白く正しいもの。」
「…そうか。」
と彼は満足していなさそうな顔ををした。
私はこれ以上何も言えず、
長い間沈黙が続いた。

数分後、私のお腹がなり何事もなかったかのように、彼は二人分のパスタを作った。