水曜日。

また、君を見かけた。
一昨日と同じ位置だった。
その隣には女の子がいた。
私も知ってる子だ。
一昨日とは違う光景だった。

楽しそうに話してる。
それを見るだけで苦しかった。
私は彼女に負けていると、知っていたから。

誰よりも周りを見ていて、頭もよくて、ちょっとだけ天然な所もあって。
女の私から見てもかわいいって思えるような、すごくいい子。

そして、もうひとつ。
気づいてしまったんだ。
彼女を見る君の横顔を見てしまって。
ひどく胸が痛んだ。

たぶん君は、彼女に会うためにこの電車を待っているんだね。本当はもっと遅い時間でも全然間に合うのに、わざわざ早起きしてるんでしょう?朝弱いくせに。彼女よりも私の方が、君のことよく分かってる。なのに。なのに、なんで…

考えるほど苦しかった。
寂しかった。虚しかった。


彼らを乗せた電車が、私の前を通りすぎた。