課長の部屋から戻ると専務はまだ電話会議中で、『どこに行っていたんだ』『何を言ったんだ』と追求されることもなくホッとした。
今日は夕方から財界のパーティーが入っているから、早めに退社して直帰になるだろう。
私はのんびり残務をこなし、定時には帰れそう。
こんな日は家でゆっくりしよう。
専務が外出した後、1人コーヒーを入れ書類を整理しながら今日のことを思い出して笑ってしまった。
フフフ。
だって、あの徹に頭を下げられてお礼を言われた。
『孝太郎の側にいてくれてありがとう』
それは友人としての言葉だろう。
徹から何度もしつこく鈴森商事への就職を勧められた時は、正直迷惑していた。
その少し前に数回専務に会っていたから、きっとそれが原因。
自意識過剰に聞こえるとイヤだけれど、私の外見を見て秘書に誘われたんだとしか思えなかった。
当然私ははっきりと断ったのに、徹は強引で最後には母さんを巻き込んで私が断ることができないようにしてしまった。
入社当日、私は精一杯の反抗のつもりで、地味なスーツを選び、化粧もほとんどせずに出社した。
専務に対しても生意気な態度をとっていたと思う。
あわよくばこのまま首になりたいとさえ思っていたのに・・・
いつの間にか1ヶ月半が過ぎた。
一緒に仕事をしていくうちに専務の誠実さと、仕事に対する真摯な態度に気持ちが変わっていった。
企業で仕事をするのがこんなに楽しいってことも初めて知った。
考えてみれば、大学卒業後一旦は就職したもののすぐに辞めてしまった私は、まともに会社勤めをしたことがない。
仕事の楽しさも、やりがいも知ることなく今日まで来てしまった。
最近になってそのことにを後悔している。
もちろん、悩んで悩んで考え抜いた末の結果だったし、あの時は体の心も限界だった。
しかたがなかったとは思うけれど、逃出してしまったことが悔しい。
今日は夕方から財界のパーティーが入っているから、早めに退社して直帰になるだろう。
私はのんびり残務をこなし、定時には帰れそう。
こんな日は家でゆっくりしよう。
専務が外出した後、1人コーヒーを入れ書類を整理しながら今日のことを思い出して笑ってしまった。
フフフ。
だって、あの徹に頭を下げられてお礼を言われた。
『孝太郎の側にいてくれてありがとう』
それは友人としての言葉だろう。
徹から何度もしつこく鈴森商事への就職を勧められた時は、正直迷惑していた。
その少し前に数回専務に会っていたから、きっとそれが原因。
自意識過剰に聞こえるとイヤだけれど、私の外見を見て秘書に誘われたんだとしか思えなかった。
当然私ははっきりと断ったのに、徹は強引で最後には母さんを巻き込んで私が断ることができないようにしてしまった。
入社当日、私は精一杯の反抗のつもりで、地味なスーツを選び、化粧もほとんどせずに出社した。
専務に対しても生意気な態度をとっていたと思う。
あわよくばこのまま首になりたいとさえ思っていたのに・・・
いつの間にか1ヶ月半が過ぎた。
一緒に仕事をしていくうちに専務の誠実さと、仕事に対する真摯な態度に気持ちが変わっていった。
企業で仕事をするのがこんなに楽しいってことも初めて知った。
考えてみれば、大学卒業後一旦は就職したもののすぐに辞めてしまった私は、まともに会社勤めをしたことがない。
仕事の楽しさも、やりがいも知ることなく今日まで来てしまった。
最近になってそのことにを後悔している。
もちろん、悩んで悩んで考え抜いた末の結果だったし、あの時は体の心も限界だった。
しかたがなかったとは思うけれど、逃出してしまったことが悔しい。



