氷の美女と冷血王子

彼女の弁当は素直に旨かった。
メインのおかずは豚の生姜焼き、付け合わせのほうれん草はソテーがしてあって、玉子焼きは甘辛くて弁当向けの味付け。
後はソーセージと、ミニトマトと俵方のおにぎり。
あまり女子らしくはないが、シンプルで旨い弁当だった。

結局、彼女が買い物に行っている15分ほどの時間で、俺は弁当を平らげてしまった。

「ごちそうさまでした」
手を合わせて箸を置いたとき、

「戻りました」
コンビニの袋を抱えて入ってきた。

「弁当、ごちそうさま」
「お粗末様です。専務、これで足りました?」
「え?」
「いえ、足りないかなと思って、パンを買ってきましたが」
ビニール袋からパンを2つ出してみせる。

「いや、いいよ」
お昼にはこれくらいで十分だ。

「じゃあ、デザートは?」
「デザート?」

「ええ、たまにいいかなと思って買ってきたんですが」

さっきまで持っていたパンを机に置き、今度は小さなカップを2つ出して見せる。

うーん。
この部屋でデザートを食う日が来るとは・・・

「プリンと白玉クリームですが、どっちがいいですか?」
どっちと言われても、
「これはなに?」

プリンはわかる。家の冷蔵庫にあれば、俺だってたまに食うこともある。
しかし、

「白玉クリームです。知りませんか?」
「ああ」
知らない。

「白玉にあんこと生クリームが乗っているんです」

へえー。それって旨いのか?