氷の美女と冷血王子

「お前は青井麗子の知り合いなんだよな?」
「ああ、そうだな」
いきなり話が仕事外に飛んで、徹は驚いた顔をした。

「どんな?」
「どんなって・・・高校の同級生だ」

へー、同級生か。

徹と俺は中学卒業まで同じ家に住み、同じ中学に通っていた。
当然このまま一緒に高校に行くものだと思っていたのに、中学の進路選択の時になって『一人暮らしをしながら通信制の高校に行く』といきなり言い出した。
当然父さんも母さんも大反対で家中でもめた。
きっと徹は遠慮をして言っているだけで、父さんに説得されて結局はこの家に残るんだろうと俺は思っていた。
しかし、徹は信念を曲げなかった。
どんなに言われても『この家を出て一人で暮らす』と言い続けた。
最終的には父さんが折れるしかなかった。
もちろん、父さんもいくつかの条件を付けた。
『ちゃんと高校を卒業し、大学に入ること』『月に1度は必ず顔を見せること』『大学を卒業したら、鈴森商事に入ること』他にも細々とした条件を付けた上で、徹の一人暮らしを認めた。

中学卒業と共に別々に暮らすようになった俺は、高校時代の徹を知らない。
働きながら高校に行く徹はきっと忙しかっただろうし、俺と遊ぶ時間なんてなかったことだろう。

そうか、その頃に彼女と出会っていたのか。