「そう言えば、彼は?」
彼と言われ、私は1人の男性を思い出した。
無表情で、冷たい目をしていて、でもどこか寂しそうな横顔。
間違いなく2枚目なのに、近づくなってオーラが強すぎる人。
「随分久しぶりだったじゃない」
「え?」
この時になって、母さんの言う彼と、私の思った人が違うことに気づいた。
「徹君が時々うちに来ていた頃って、どのくらい前?」
ああ、徹のことだったのね。
「10年くらいかな」
いつの間にかそんなに経ったんだ。
元々、私と徹は高校の同級生。
友達の少ない私にとって、高校時代唯一の友達かもしれない。
「店の片隅で二人して勉強してたわね」
母さんの懐かしそうな顔。
「そうね」
あの頃から、徹はやたらと勉強ができた。
わからない点を聞けば必ず答えが返ってくるし、テストの成績が悪ければ『ここが間違っているんだ』と的確なアドバイスをくれた。
理系の得意な私と、文系の得意な徹は、本当にいい勉強仲間だった。
「鈴森商事に勤めているんでしょ?」
「らしいわね」
母さんが何を言いたいのか、想像はできる。
でも、私と徹はそういう関係にはなれないと思う。
彼と言われ、私は1人の男性を思い出した。
無表情で、冷たい目をしていて、でもどこか寂しそうな横顔。
間違いなく2枚目なのに、近づくなってオーラが強すぎる人。
「随分久しぶりだったじゃない」
「え?」
この時になって、母さんの言う彼と、私の思った人が違うことに気づいた。
「徹君が時々うちに来ていた頃って、どのくらい前?」
ああ、徹のことだったのね。
「10年くらいかな」
いつの間にかそんなに経ったんだ。
元々、私と徹は高校の同級生。
友達の少ない私にとって、高校時代唯一の友達かもしれない。
「店の片隅で二人して勉強してたわね」
母さんの懐かしそうな顔。
「そうね」
あの頃から、徹はやたらと勉強ができた。
わからない点を聞けば必ず答えが返ってくるし、テストの成績が悪ければ『ここが間違っているんだ』と的確なアドバイスをくれた。
理系の得意な私と、文系の得意な徹は、本当にいい勉強仲間だった。
「鈴森商事に勤めているんでしょ?」
「らしいわね」
母さんが何を言いたいのか、想像はできる。
でも、私と徹はそういう関係にはなれないと思う。



