氷の美女と冷血王子

「こちらが手術室です。緊急手術ですのでまだ時間がかかると思いますが、ここで待たれますか?」
「はい」

今は少しでも孝太郎の近くにいたい。

「では、ここでお待ちください。その先には家族待合室もありますので良かったらご利用ください」
「はい」
「では」

背を向けて去ろうとする女性。

「あの、」
私は思いきって声をかけた。

「何でしょうか?」

「彼は、どんな状態なんでしょうか?」

一番聞きたくて、でも怖くて聞けないことをやっと口にした。
どんなに厳しい言葉でも、聞かないわけにはいかない。

「重篤な状態です。詳しくは執刀医から説明があると思いますが、覚悟をしておいていただいた方がいいと思います」
「そんな・・・」

「大丈夫ですか?」
「ええ」

「特に頭部の外傷が酷いので、たとえ命を取り留めても、意識が戻るかどうかはわかりません」
「ウソ・・・」

分かっていたはずなのに、やはりショックだった。
私は力尽き、近くの椅子に座り込んだ。