氷の美女と冷血王子

麗子が残した資料とパソコンのデータ。
それは、素人の俺たちが見ても詳しいことまではわからない。
しかし、やはり今回の原因は河野副社長にありそうだ。

「河野副社長が動けば、すぐに知らせがくるようにしてあるから」

だから安心しろと言いたそうに、徹が俺の肩を叩いた。

「すまない」

どうも、今日の俺はポンコツで使い物にならない。
いつもならもう少しテキパキと動けるんだが・・・

「麗子がいなくなったとなれば、孝太郎が動揺してもしかたがない。こんな時のために俺がいるんだから、気にするな。それに、元々麗子を孝太郎に引き合わせたのは俺だしな」
「徹」

自分でも情けないと思う。
麗子の性格を考えれば、このくらいのことは想定しておくべきだったし、もう少し強い言葉で止めていればこんな事にならなかったのかもしれない。
それに、俺は昨日麗子と連絡がつかないことが分かっていて実家に帰った。
今日だって、仕事を放り出してでも、探しに来るべきだったのに・・・。

「これじゃあ、父さんと一緒だな」
「え?」

いきなり訳のわからないことを言った俺を、徹が振り返った。