氷の美女と冷血王子

「なあ」

ん?
一華のことをボケッと考えていると、真面目な顔をした徹と目が合った。

「そろそろ、秘書を置いた方がいい。そうすれば、古狸に呼び止められて嫌みを言われることだってなくなるはずだ。1人でフラフラしているから捕まるんだよ」

え、だって
「秘書なら」
秘書課の綺麗どころが5人もいるじゃないかと言いかけて、
「そうじゃない、専属の、信頼できる人間を置け」
「それは・・・」

俺だって欲しい。
でも、なかなかいない。

「徹、お前が、」
「俺はダメ。社長が手放さない」

フーン。
じゃあどうするんだよ。

「まあ、焦ることはないから考えておいてくれ」
「ああ」

専属の秘書ねえ。
できれば男が良いな。仕事ができて、本音が言えて、気兼ねがない奴。
そんな奴、簡単には見つからないだろうな。

「営業の髙田、切れ者らしいぞ」

え?
いきなり名前が出て驚いた。

髙田って言えば、一華の同期で2年目の新人。

「他にあてがないなら、1度会ってみろよ」
「ああ、本当に困ったら考えてみる」

さすがに、一華の同期ってかなり年下だしな。

「これからドンドン忙しくなるんだ、秘書は絶対に必要になる。お前が探さないなら、勝手に決めるぞ」

え、それは・・・

「少し待ってくれ。ちゃんと考えるから」
「わかった」

実際あてがあるわけではないが、側に置くのは信頼できる人間にしたい。
さあ、少しは本気で探してみるか。