氷の美女と冷血王子

「今の営業担当は誰ですか?」
「鈴木と高田の2人です」

2人とも2年目の新人。

「随分若手ですね」
不満を顔に出したつもりはないが、言葉に出た棘は伝わったらしい。

「もちろん、森課長もついていますし、心配ないと思います」
「そうですか」
元から心配をしているわけではないが。

そうか、髙田と、鈴木一華か。なんだか不思議な気分だ。

「朝一で鈴木を向かわせます」
「鈴木ですか?」
「ええ。髙田は今、別件で手が離せませんし、こんな時のために2人体制にしましたので」

フーン。
鈴木一華。24歳。
総合職として、初めて営業に採用した女子。
少しおっちょこちょいなところはあるが、元気ではつらつとしていて、ガッツのある新人。ただ・・・

「大丈夫です。鈴木1人では心配ですが、髙田と2人ならそこら辺のベテランにだって負けません」
「へー」
随分高評価だな。

「鈴木に行かせて、難しそうなら森課長を向かわせます」
「・・・わかりました」
ここまで言われれば、反論なんてできない。

山川部長を信じてみるか。
不安も不満もないわけではないが、今は黙っておこう。
一華、お手並み拝見だ。