『木村さん、ちょっと良い?』


救急の対応が落ちついた合間を縫って、木村さんに声をかける。


『師長、何ですか?』


休憩室で向き合って座る。


『高島ゆうかさん、知ってるよね?』


『はい。』


『彼女をどうしたいのか知らないけれど、どんな理由があろうと、患者さんを追い詰めるようなことを言って許されると思う?』


『そんなつもりで接したことはありません。』


『そう?それなら良いけど、この病院はあなたの恋人探しをするためにあるわけじゃないのよ。厳しいようだけど、仕事を全うできないなら、身を引きなさい。』


『なんでそんなこと言われなきゃいけないんですか?』