『ゆうかちゃん。』


呼ばれて振り向くとそこには広瀬先生がいた。


『山瀬先生は?大丈夫なんですか?』


思わず駆け寄って聞く。


『うん。今処置中だよ。』


『山瀬先生、重症なの?』


さらに詰め寄ると、周りの視線を感じて、はっと我に帰る。


『ゆうかちゃん、落ち着いて、僕もまだ会えてないから。救急の待合で待たせて貰おう?』


『はい、すみません。』


隅のほうに置かれた椅子に腰掛ける。
しばらくしても、いっこうに動きがない。
すると、見覚えのある人が目に入った。


向こうもこちらに気づいたようで、


『また来たの?家族じゃない人は会えないよ。
ここは家族や付き添いの人が待つところだから、
待つなら外の待合にしてもらえます?』