「いくら結菜ちゃんがそのつもりでも、市条先輩は結菜ちゃんのことが好きなんだよ。そのまますんなり結菜ちゃんのことを離すわけがないよ」
一輝くんの心配は消えることはなく。
「ねぇ、結菜ちゃん、だからせめて少し離れたところから結菜ちゃんのことを見守るというのはありにしてよ」
一輝くんは私にすがりつくようにそう言った。
どうしよう。
一輝くんにすがりつくように言われると……。
これ以上、一輝くんに何も言うことができない。
だから。
「……わかった。でも、私が拓生くんに会っているときは本当に離れたところにいてね」
そう言ってしまった。
「ありがとう、結菜ちゃん」
一輝くんはそう言って、私のことを抱きしめた。



