「私がいなくなっても、元気でやってね?」

綺麗な笑顔で、そういう君は、あまりに残酷だ。

二度目の君がいなくなった世界は、どうやって生きていけばいいんだろうか。

ああ、こんなことなら、君の未練を晴らす手伝いなんて、するべきではなかった。

ずっと、この手の中に。

そんなことを、今でも思ってしまう僕は愚かなのか。

「……わかってるよ」

もうすぐ、日がさして、この屋上も輪郭を取り戻す。




「なあ、アイカ」

今更、愛してるなんて、言わないから。

「僕のこと、」

だけど、お前のことずっと好きだから。

「来世で待っててよ。」




消えゆく君の笑顔を、僕は肯定と捉えてもいいですか。