月曜日 午前0:00 

電波時計が、いつもの定刻に標準時刻の受信を始め、また新たに正確な時を刻み始めた頃、俺は自室のベットに腰をかけ、どうしたものかと、思案に暮れていた。

チラリと後ろを振り返れば、ベットの中央には、綿麻のワンピースを着たまま、こちらに背を向けた小柄な女性の後ろ姿。

ロングスカートのはずが、一部膝辺りまでめくれ上がり、そこから白く艶めかしい素足が横たわってる。

…当然、自然にめくれた訳じゃない。

つい30分ほど前、完全に理性を失い、密度を増した甘い流れのまま、無防備な彼女の気持ちも考えず、性急に先を進めようとした自分の愚行。

その最低の行為の結果が、この有様だ。

『何やってんだ、俺は…』

深く溜息を吐き、いい加減うなだれたままだった頭を起こすと、ゆっくり立ち上がり、窓際に向かう。

夜景を望むために開け放れたままだったレースカーテンを閉めると、眩しい程だった月明かりが、ほんの少しトーンを落とす。

そうして、もう一度振り返り、今度は自分のベットに横たわる彼女を、正面から見下ろした。

まるで何かに怯えたように緩やかに背を丸め、小さな子供のように泣き疲れてそのまま眠りについた彼女の横顔には、クッキリと泣きはらした涙の後。

改めて自分がしたことを悔いながら、めくれ上がったままだったスカートの裾を直し、足元に流れ落ちてしまっていた薄地のタオルケットを拾い上げると、腰のあたりまで、そっとかけた。