谷口の顔をチラリと見ると、ぽかんと口をあけていた。

数秒フリーズして、





「ちょ!ちょっと待ってください!神崎さん!違いますよ!」





と、慌てて言ってきた。






「なにがだ。合コンで意気投合したって言ってたじゃねぇか。」


「確かに言いましたけど、でも、それは違くて……、」


「なにが違うんだよ。」






食い気味にそう言えば、ぐっと一瞬怯むが、なにか思いついたようにカバンからスマホを取り出して、操作し始める。

そして、信号で止まったタイミングで、スマホの画面をズイッと目の前に持ってきた。






「神崎さん!三津利さんは女性です!」


「じょ?え?は?」





確かに写っているのは、メガネを掛けた大人しそうな女性。






「わたしが男の人と、初対面でそんなに話せるわけないじゃないですか。亀井 三津利さん!女の子です!」