「でも、合コンの報告もしたかったですし!」
「……。」
どうなったのか気になってはいたが、こいつの声音からして、おそらく楽しかったに違いない。
けど、その楽しかったは?
人と話せるようになったからなのか、それとも良い人が現れたからなのか…
聞きたいような聞きたくないような、自分の気持ちが決断できなくて、押し黙ると、
「神崎さん?」
谷口は不思議そうに、声をかけてきた。
……っくそ。なにを迷ってるんだ。
俺はこいつの相談役なんだから、話を聞く以外に選択肢は無いはずだろう?
「いや、あー…どうだったんだ?上手く喋れたのか?」
「はい!おかげさまで、大成功でした!」
大成功…か……
「よかったじゃねぇか。」
「はい!みなさん優しい人ばかりでしたし、食事も美味しかったです!」
余程、楽しかったのだろう。
今までにないくらいに弾む声に、何故か少しイラつく。