「大丈夫。変なやつはいないから。オレのよりすぐりの優男たちだから!」
えへんと胸を張る仕草が、余計に腹立たしい。
「別に気にしてねぇよ。」
「えー。めっちゃ聞き耳立ててたじゃん。さっき。」
このヘラヘラした男は、案外周りを見ている。
だからこそ、のらりくらりと上手く立ち回っていけるのだろうが、俺にとっては厄介この上ない。
「後輩のプライベートにまで口出しする気はねぇよ。」
「……ふーん。」
そう言ってしまえば、納得いかない顔をしながらも去っていった。
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