そして、週末。金曜日。



仕事中、谷口と田原が喋っているのを見かけたが、なんとなく目をそらしてひまった。

けど、耳だけはあの2人に集中してしまう。





「今日、8時からだからね!残業しないでねー!」


「はい!」


「あっ、店わかる?一緒に行く?」





合コン、今日だったのか。



会話が終わったのか、同僚が鼻歌まじりでこっちに歩いてくる。





「ふふーん。今日、合コンなんだー。谷口っちゃんと!」


「そうか。」





俺は何気ない感じでそう答えたが、こいつはお構い無しで距離を詰めてくる。

お見通しだと言わんばかりのニヤニヤ顔に、イライラする。





「谷口っちゃん係は心配?」


「はぁ?なんでだよ。」


「えぇー?めっちゃ眉間にシワよってるけど?」


「もとからだ。」


「またまたぁ。神崎はカホゴだねー。」