「合コンなんて、そんな場にわたしなんかが参加していいのか……。でも、田原さんに人数が足りないから、どうしてもってお願いされてしまって……。」





合コンか…


チャラチャラした奴の集まりだったり、変な男にだまされたりしないだろうか?

こいつ、男に慣れてなさそうだし。



けど、こいつを成長させる、いい機会になるかもしれない。

こいつに足りないのは、圧倒的に経験値だ。

特定の誰かだけじゃなく、不特定多数の誰かとでも話せるようにならなければ、社会人としてやっていけない。




「いいんじゃねぇのか。」





気がつけば、そう言っていた。

谷口の為だ。





「えぇ?!でも、ほら、その…合コンですよ?!」


「だな。」


「なんか、こう…キラキラした人達の集まりですよ?」


「キラキラって…。」


「そんな場で、わたし上手く話せる気がしません!わたし、大学のサークルも飲み会は不参加で…まず、人が集まる場が……。」





そうして、自分がいかに合コンに向いていないかを真剣にプレゼンテーションしだしたこいつに、思わず笑ってしまった。