「神崎さん!おはようございます!田原さんも、おはようございます。」
「おう。おはよう。」
「おっはよー!谷口っちゃん。」
挨拶も、もう完璧だな。
谷口はまだ何か言いたそうにしていたが、俺の隣の田原をチラッと見て、少し悩んで、
「では。また朝礼で。」
と、だけ言って去ってしまった。
まだ、慣れてない人間と喋ることは出来ないか。
「……鬼顔のお前に怯むことなく、むしろあっちから駆け寄ってあいさつ。」
俺と谷口を見て、ふむふむとわざとらしい仕草の同僚に、嫌な予感がする。
「もしかして、おまえ、谷口っちゃんと……ラブ?」
「はぁ!?」
なんでそうなる。
こいつの頭の中はお花畑なのか?
誰でもかんでも、恋愛にこぎ着けたがる。