「あーららー。神崎が谷口っちゃん泣ーかしたー。」



事の顛末を見ていた同僚が、からかい気味に声を掛けてきた。




「泣いてなかっただろ。」



「そういう事じゃないでしょー。」




「それより、あいつなんであんなにいつも挙動不審なんだ?あー……俺の顔が恐いからか?」




「谷口っちゃんって、誰に対してもあんな感じなんじゃん?まぁ、オマエには特にビビってるみたいだけど。…ってか、顔コワイの気にしてたんだ。いてっ。」




ニヤニヤする同僚の肩を軽く叩いて、俺は自分のデスクに戻った。


誰に対しても、か。

それにしても、合理的じゃない。

あいつの行動にはムダが多すぎる。

見ていて、イライラする。