「おい。ネガティブすんな。」
「でも…視線が……。」
強い口調で言うが、それでもうだうだしている。
「お前は気にし過ぎなんだよ。チラッとこっち見てきたって、特になんも思ってねぇよ。」
「そうですかねぇ……。」
「そうなんだよ。5分後にはすっかり忘れて、スタバでキャラメル濃いヤツでも頼んでドヤ顔してるよ。」
「はい……。」
完全にではないが、少し納得した様子で返事をする。
これ以上は無駄だな。
「ほら、行くぞ。」
貴重な休日に、うだうだし続ける為の作戦じゃない。
俺は、方向を変えて、歩き出した。
慌てて、谷口も着いてくる。
「ど、どちらへ?」
「映画。」