《♪〜♪〜♪〜》
いつもの時間。
きっと、あいつからの着信だ。
「おう。」
「お疲れ様です。谷口です。」
電話の挨拶も随分慣れてきたな。
けど、初めて同期とランチだった割には、声は少し落ち込み気味のような気がする。
「おつかれ。ランチ、どうだったんだ?」
単刀直入に聞けば、
「あの…お2人とも、とても優しくて良い人なんですけど…わたしにもお話を振ってくれますし……。けど、やっぱり会話のリズムがおかしくなるというか……気を遣わせてしまっていて、心苦しくて……。」
と、のろのろした返事が返ってきた。
まぁ、そんなもんだろうとは思っていたが。
「初めて一緒にメシ食ったんなら、そんなもんじゃないか?」
さしすがに、谷口じゃなくても、最初の食事は相手に気を遣うだろうと思ってそうフォローするが、あいつは納得いかないようだった。
「でも…、わたしもっとレベルアップしたいんです!」



