次の日。

朝礼が終わり、各々がデスクに戻る中、谷口が井村と山岸に近寄って行くのが見えた。

握りこぶしを作りながら。




あいつ、あれ直せって言ったのに。

握りこぶしもそうだが、緊張したり動揺すると、すぐ悪い癖が出る。

そういえば、電話で聞けなかった、なんかあったキッカケ。

それが関係しているのは確実だが、当の本人は話したがらないし、無理矢理聞き出すのも……





「だぁ!……っくそ。」




これ以上考えるのは止めだ。

イライラする。

仕事に集中したい。





俺は、頭をガシガシと乱暴にかいてデスクへ戻った。