「おい、谷口!」



「ひっ。か、かかか神崎さん!」




目に余る受け応えを見せつけられて、堪らず声を掛けると、ビクリと肩を震わせてこっちを見た。

ひっ、てなんだよ。ムカつく。




「お前、もうちょっと受け応えちゃんと出来ないのか?社会人何年目だ?いい加減慣れろよ。」



「すっ、すみません!すみません!」




すみませんは2回もいらない。腹立つ。





「すみませんじゃ答えになってねぇよ。」





「っうぅ…すみません。」




また、すみません。もう、うんざりだ。

腕を組み、上から見下ろすように仁王立ちをすれば、谷口は小さな体を一層小さくして震えた。

泣くか?




「が、がんばる…ので…あの、すみません!!」




見上げてきた目に涙はな無く、ぺこりと頭を下げるとデスクに戻って行った。

なんなんだよ。