「でも、結局、彼らが選んだのは私じゃなかった。だからね、もう、自分の気持ちを突き通すって決めたんだけど、彼は掴みどころがなくて、気持ちが揺れて凹むのよね。だから、あなたに誓うわ。絶対諦めないわ」

「あっ、はい。頑張ってください」

「ありがとう。おかげで、勇気をもらえたわ。いつか会えた時は、声をかけてもいいかしら?」

「もちろんです。その時は、誓いの成果を教えてくださいね」

「ふふふ、あなたっていい子ね。向井さんには勿体ないわ。じゃあ、またね…でいいわよね」

「はい、また」

お互い微笑み、逆方向に去ろうとしたら、

「あっ、そうそう、向井さんに伝えておいてね。ホテルでのカップルのキスシーンは、見て見ぬふりをするものよってね」

そう言って去る小野寺さんの足取りは軽く、人混みにあっという間に消えて見えなくなっていた。

そして、私は、小野寺さんの伝言を伝えるべく、足早に彼の待つ2人の住処に向かう。

〈end〉

追加分は、ここまでで終わりです。
最後まで読んでくださりありがとうございました(^ ^)
朝陽と莉子の新婚生活もいつか書けたらいいなと思っています。

次回作、仮[愛してるだけじゃ伝わらない思いがある]の主人公が小野寺さんの為、最後に少しだけ登場して頂きました。そこに彼女の恋愛模様が繋がっていきます。

よかったら、のぞいてみてください(^-^)

にしのそら